「君の膵臓をたべたい」住野よる
主人公に対して、こんなに世間に対して斜に構えた男子高校生嫌すぎるな、現実に存在するならぶん殴ってやりたいな、と思いながら読み進めた。けど、その気持ちが爽やかに裏切られる読後感。
この手の話は結末は分かっているし、村上春樹のできそこないみたいな語り口にイラッとしたりもしたけど、桜良という女の子のまっすぐさがあまりにも綺麗で、そして痛々しくて、最後まで一気に読めてしまった。
「自分自身を見つめるくらいなら、私を見つめてよ」
好きな人に面と向かってこんな言葉を投げかけられる桜良みたいな人間に、私はなりたいと思ってる。