GINZA SIXのSTARBUCKS RESERVE
銀座SIXのスタバに行ったら1728円のコーヒーを勧められた。友人がそんなpostをFacebookに上げていた。そんな高いコーヒーを突然勧められるなんて本当なのか。
結論から言うと、本当だった。
銀座SIXの6階、STARBUCKS RESERVEのレジに並ぶと、ブラックエプロンの店員に話しかけられ、コーヒーの好みを聞かれる。
「す、すっぱいのより、苦いのが好きですぅ」
「でしたら、ジャマイカブルーマウンテンはいかがですか?ちょっと価格が上になってしまうのですが…」
「お、おいくらですかぁ」
「1600円なのですが…」
1600円。税込1728円。本当だった。
「ち、ちょっと高いので、この960円のやつをください」
そもそも、いちいちこんなカードをくれるということ自体、正気の沙汰ではない。
イケメンのお兄さん(オオサワさん)が優しく話しながらサイフォンでコーヒーを淹れてくれた。
丁寧に淹れられたコスタリカは、雑味がなく、まろやかでとても美味しかった。
RESERVEのコーヒーを飲むときはいつもそうなのだけれど、今まで自分がコーヒーの雑味のことを美味しいと言っていたのではないかと思ってしまうほどに、素直に美味しい。
960円のコスタリカ。
私はなぜここで1728円のジャマイカブルーマウンテンを頼めないのか。1728円のコーヒーを勧められに来たのに。自分が小さい人間であることを実感する。
なぜ自分がやりたかったことと向き合えないのか。
そもそも、STARBUCKS RESERVEのコーヒーは普通に800円とかするので、1728円のコーヒーを勧められたとしても不思議ではない。なのに、ただ、それを勧められたかったがためだけに、のこのこGINZA SIXまで来てしまった自分。情けない。
隣の席で、男2女2の4人組が楽しそうにセルフィーを撮っている。SNOWのアプリも立ち上がっているだろうか。
本当は、ただ、テレビで話題の、おしゃれな人が集うという、GINZA SIXに来てみたかっただけなのに、どうして素直にそう言えないのか。
ぬるくなったコーヒーを飲み干し、足早に店を出た。